医療保険の選び方は?加入前におさえたい保障内容や年齢別のポイントを解説

年齢別医療保険の選び方

医療保険の選び方は?加入前におさえたい保障内容や年齢別のポイントを解説

医療保険にはさまざまな商品や特約があり、どうやって医療保険を選べばいいかわからずに悩んでいる人も少なくないようです。本記事では、加入前におさえておきたい医療保険の保障内容を解説します。年齢別の医療保険の選び方のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

医療保険とは

まずは、民間の医療保険について解説します。

医療費の負担を軽減する保険

民間の医療保険は「社会保険」でカバーされない医療費を保障する保険です。社会保険は国民全員に加入義務がありますが、医療費の全額が保障されるわけではありません。そのため、社会保険で保障されない部分を民間の医療保険で保障します。

医療保険の保険期間

医療保険の保険期間には一定期間で保障が終了する「定期タイプ」と、亡くなるまで保障が続く「終身タイプ」があります。

定期タイプと終身タイプの特徴は、以下の表のとおりです。

定期タイプと終身タイプの比較表

定期タイプ終身タイプ
保障一定期間一生涯
保険料安いが、更新する場合には保険料が高くなる最初は高いが、一生涯保険料が変わらない
解約返戻金なしor少ないあり

定期タイプは保険期間(10年など)終了後に同条件で更新すると、一般的に保険料が上がります。そのため、保険料負担の増加を避けたい人には、終身タイプがおすすめです。ただし、頻繁に保障を見直したい人は、一定期間で保障の終了する定期タイプが向いているでしょう。

告知不要な医療保険もある

医療保険の選び方で重要になるのが「告知」です。医療保険に入るためには、加入希望者が提出する健康診断表や傷病歴などを保険会社が審査します。一般的に、持病がある人や傷病歴がある人は審査に通りづらいです。

通常の医療保険の審査に通らない人は「引受基準緩和型」や「無選択型」を検討しましょう。引受基準緩和型は告知事項が少なく、持病や傷病歴がある人でも入りやすい保険です。また、無選択型保険は告知がなく誰でも加入できます。

「通常の保険」「引受基準緩和型」「無選択型」のそれぞれの特徴は、以下のとおりです。

通常の保険引受基準緩和型無選択型
告知事項多い(6〜15項目ほど)少ない(2〜5項目ほど)なし
加入難易度難しい(保障を削減して加入できる場合あり) 易しい誰でも加入できる(年齢制限はあり)
保険料安い比較的高い高い

通常の保険の保険料がもっとも安いため、通常の保険、引受基準緩和型、無選択型の順番で検討するのがいいでしょう。

医療保険の保障内容

医療保険には、さまざまな保障内容や特約があります。そこでここからは、それぞれの特徴を紹介します。

入院給付金

入院給付金は、医療保険の基本的な保障です。病気やケガで入院した場合に給付金を受給できます。入院給付金は、日額5,000円など入院した日数に応じて支払われることがほとんどです。

日額1万円の入院給付金の医療保険に加入している人が7日間入院した場合、支払われる入院給付金は7万円(1日1万円×7日間)となります。また、加入の際に「支払限度日数」を60日、120日、180日などから選択します。

商品によっては、入院給付金が日額ではなく一時金で支払われるものもあります。一時金100万円の場合、入院すると100万円の受給が可能です。入院日数による給付金額の変動はありません。

手術給付金

手術給付金は、病気やケガの治療のために手術を受けた際に支払われる給付金です。給付金額は「入院給付金日額×5倍」などで設定されます。入院給付金日額1万円で手術給付金の給付倍率が5倍の商品では、手術を受けると5万円(1万円×5倍)の受給が可能です。給付倍率は、手術の種類によって異なる商品もあります。

手術ごとの給付倍率の例は、以下のとおりです。

手術種類ごとの給付倍率の例

手術の種類給付倍率
心臓・肺・肝臓の移植手術、脊髄腫瘍摘出術40倍
がんに対する手術20倍
脊髄などの採取術10倍
一般的な外来手術5倍

通院保障特約

通院保障特約は、入院給付金が受け取れる病気やケガで通院した場合に給付金が受給できる特約です。入院後の通院を保障するものが基本ですが、商品によっては入院前の通院も保障対象となるものもあります。

支払われる給付金額は「通院期間×設定された通院日額」です。通院期間が50日間で通院日額が2,000円の場合、給付金は10万円(1日2,000円×50日間)となります。

先進医療特約

先進医療特約は、先進医療の費用を保障する特約です。がんなどの治療の際に、医師から保険適用外の治療をすすめられることを「先進医療」と呼びます。先進医療は保険適用外のため、治療費は全額自己負担です。

がんの先進医療の費用例は、以下のとおりとなります。

がんの先進医療でかかる費用相場

  • 重粒子線治療:約318万円
  • 陽子線治療:約264万円

先進医療特約では、先進医療の治療費を「最大2,000万円まで」などの高額な保障が可能です。

三大疾病保障特約

三大疾病保障特約(保険会社によって名称は異なります)は、三大疾病と診断されたときや入院したときに給付金が受け取れる特約です。

三大疾病は、以下のとおりとなります。

三大疾病

  • がん
  • 心疾患
  • 脳血管疾患

女性疾病特約

女性疾患特約は女性特有の病気で入院した場合に、1日あたりの入院給付金に上乗せして給付金が支払われる特約です。

女性疾病特約で保障される女性特有の病気の例は、以下のとおりとなります。

女性疾病特約で保障される病気の例

  • 卵巣がん
  • 乳がん
  • 子宮頸がん
  • 切迫流産
  • 骨盤位

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年齢別の医療保険の選び方のポイント

医療保険は年齢により、選び方のポイントが異なります。ここからは、年齢別で医療保険の選び方を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

20代の選び方

20代の選び方のポイントは、以下のとおりです。

20代の選び方のポイント

  • 長期入院などによる医療費を貯蓄で賄えないリスクを保険でカバーする
  • 保障は入院保障や通院保障といった最低限の保障を検討する

20代は十分な貯蓄のない人が多いでしょう。金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」によると、単身20代の平均貯蓄は176万円、中央値は20万円となります。そのため、長期入院すると医療費を貯蓄で賄えない可能性があります。

ただし、独身の場合には自分の生活を守れればよく、三大疾病などを患うリスクも低いです。よって、最低限の入院保障や通院保障を検討することが選び方のポイントになります。

30代の選び方

30代の選び方のポイントは、以下のとおりです。

30代の選び方のポイント

  • 妊娠を予定する女性は妊娠前に医療保険に加入する
  • パートナーを扶養する人は手厚い医療保険を検討する

妊娠中に医療保険に加入すると、異常妊娠や帝王切開などが一定期間保障されない場合があります。そのため、妊娠を予定する女性は妊娠前の医療保険への加入がおすすめです。

また、結婚してパートナーを扶養する場合には、手厚い保障を検討しましょう。ケガや病気で働けなくなった際には、医療費の発生だけでなく収入も減少します。パートナーの生活を守るために、入院保障日額の増額を検討してみてください。

40代の選び方

40代の選び方のポイントは、以下のとおりです。

40代の選び方のポイント

  • 子どもがいる人は医療保険への加入を検討する
  • がんへの備えを考える

子どもが小学校に入学してから高校や大学を卒業するまで、高額な教育費が発生し続けます。そのため、自身の医療費で教育資金を減らしたくない人は、医療保険への加入を検討しましょう。

また、高齢になるほど、がんのリスクは高くなります。一生のうちにがんと診断される割合は、男性は約65%、女性は約50%です。40代はがん保険に加入する人が多い年代なため、がん保険の加入も検討してみてください。

50代の選び方

50代の選び方のポイントは、以下のとおりです。

50代の選び方のポイント

  • 十分な貯蓄がない人は医療保険への加入を検討する

50代以降、十分な貯蓄がある人とそうでない人とで大きな差が出てきます。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」によると、単身50代の平均貯蓄は1,048万円であるのに対して、中央値は53万円です。

平均値と中央値の差から、一部の人が多くの資産を持っていることがわかります。一方で、十分な資産を持っていない人にとって、医療費の自己負担は深刻な問題です。特に、50歳以降は持病などで医療保険への加入を断られる人も増えてきます。十分な貯蓄がない人は、このタイミングで医療保険への加入を検討してみてください。

公的医療保険制度で賄える医療費は

日本は社会保険(公的医療保険制度)により、医療費の7割~9割が保障されます。年齢別の医療費の自己負担割合は、以下のとおりです。

医療費負担割合

75歳~1割負担(所得が多い人は2割~3割負担)
70歳~74歳2割負担(所得が多い人は3割負担)
6歳~69歳3割負担
~5歳(義務教育就学前)2割負担

出典:厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について

年齢ごとに負担割合は異なるものの、大部分の医療費が社会保険で保障されます。

また、月の医療費自己負担額には「高額療養費制度」と呼ばれる上限があります。月の医療費自己負担額が上限を超えると、超過分の医療費の払い戻しを受けられます。

70歳未満の医療費負担額の上限額

所得(報酬月額)自己負担限度額(上限)多数該当
81万円以上25万2,600円+(総医療費ー84万2,000円)×1%14万100円
51万5,000円以上81万円未満16万7,400円+(総医療費ー55万8,000円)×1%9万3,000円
27万円以上51万5,000円未満8万100円+(総医療費ー26万7,000円)×1%4万4,400円
27万円未満5万7,600円4万4,400円
市区町村税の非課税者等3万5,400円2万4,600円

出典:全国健康保険協会協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)

ただし、社会保険では以下の費用は保障対象外となります。

社会保険で保障対象外となる費用

  • 入院時の差額ベッド代
  • 病院食
  • 先進医療
  • 自由診療

病気やケガで入院した際に個室や少人数の部屋を希望すると、一日に数千円の差額ベッド代が発生します。さらに、がんなどの治療でおこなわれることが多い先進医療も、社会保険の保障対象外です。

先進医療は、数百万円の治療費が発生する場合もあります。そのため、差額ベッド代や先進医療の治療費などの自己負担を軽減したい人は、民間の医療保険の必要性が高いでしょう。

まとめ

医療保険の保障や特約はさまざまです。年齢や条件に応じて、必要な保障は変わるでしょう。一般的に貯蓄がない人や扶養するパートナー・子どもがいる人は、医療保険の必要性が高いです。本記事で紹介したポイントや選び方を参考に、自分にあった医療保険の保障を探してみてください。

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