NISAとiDeCo、どちらを優先すべき?
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公開日:2025-06-23
更新日:2025-06-25
この記事を執筆した保険プランナー
広村泰則





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20年 年間相談件数: 144件
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クリイト株式会社
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生命保険20社 損害保険6社
保有資格:
AFP (アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー), FP (ファイナンシャルプランナー) 2級, 住宅ローンアドバイザー, 宅地建物取引主任者, 二種証券外務員, 生命保険募集人, 損害保険募集人, TLC (生保協会認定FP)
NISAとiDeCo、どちらを優先すべき?あなたのライフステージと働き方で考える賢い選択
資産形成に関心を持つ人が増える中、「NISA(少額投資非課税制度)」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」という2つの税制優遇制度が注目されています。どちらも国が国民の資産形成を促すために用意した制度であり、賢く併用することで、資産づくりをより有利に進めることが可能です。しかし、「結局、どちらから始めるべきなの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、NISAとiDeCo、どちらを優先すべきかについて、
まずは一般的な考え方、あなたのライフステージや働き方に応じた考え方をご紹介します。
次にもう一歩踏み込んだ私なりの本音アドバイスも追記させていただきます。
iDeCoとNISA、そもそもの目的の違いとは?
まず、NISAとiDeCoの根本的な違いを理解することが重要です。
- NISAは「投資を通じた資産形成」が主な目的です。非課税投資枠が誰でも一律に設けられており、投資で得た運用益に税金がかからない点が大きなメリットです。積み立てた資金はいつでも引き出すことが可能なため、柔軟性が高いといえます。
- iDeCoは「老後資金の形成」を目的とした私的年金の一種です。公的年金の上乗せ制度として始まり、老後収入の土台が少ない人や企業年金のない会社員などを対象としています。最大の特徴は、積み立てた資金が原則60歳まで引き出しできないこと。これはデメリットとして捉えられがちですが、「老後資金を備えるという目的に沿っている」とされ、暴落時に慌てて売ってしまうようなことを防ぐ効果もあります。
どちらを優先すべき? 一般的な判断のポイント
1. 若い世代(20代・30代)は「NISA優先」でOK!
20代・30代は、結婚、出産、住宅購入など、目先の出費が多いライフステージです。iDeCoの加入者の平均年齢は40代というデータもあり、大江さんは「若いうちは換金性の高いNISA優先でいい」と話しています。
- NISAのメリット: 資金の引き出しがいつでも可能なので、急な出費にも対応しやすい柔軟性があります。まずはNISAで投資に慣れ、資産を増やす経験を積むのがおすすめです。
2. 「iDeCo」を真っ先に活用すべき人たち
一方で、年齢にかかわらず、iDeCoを積極的に活用すべきと言われるケースもあります。
- 厚生年金に加入していない自営業・フリーランス: 公的年金の上乗せがないため、老後収入の土台が少ないこの層は、iDeCoで「自分年金」を作る優先度が非常に高いです。預金だけでは得られない税制優遇を受けながら、効率的に老後資金を準備できます。
- 企業年金制度がない企業に勤めている会社員: 同様に、企業年金がない場合もiDeCoは老後資金を補完する重要な手段となります。
iDeCoの税制優遇はなぜ魅力的?
iDeCoは、特に以下の点でNISAとは異なる大きな税制優遇メリットがあります。
- 積み立て時(拠出時)の「所得控除」: iDeCoに拠出した掛け金は、その年の課税所得から差し引かれるため、所得税と翌年の住民税が軽減されます。所得税は課税所得が増えるほど税率が高くなる累進課税のため、所得税率が高い人ほど節税効果が大きくなります。これはNISAにはない大きなメリットです。
- 運用期間中の運用益が非課税: NISAと同様に、運用益に税金がかかりません。
- 受け取り時の税負担軽減: 退職所得控除や公的年金等控除といった税制優遇を活用できます。特に、働き盛りで所得税率が高い時期に支払う税金をiDeCoで先送りし、60歳以降に適用税率が低くなった時点で課税されることで、税負担を抑えられるメリットがあります。
3. 「NISA」を優先すべき人たち(iDeCoの優先度が下がるケース)
- 企業年金が充実している人: 既に企業年金で老後資金が十分に確保されている場合、iDeCoを使う優先度は下がるとされています。
- 所得が少ない人: iDeCoの大きなメリットである所得控除の節税効果が薄くなるため、NISAを先に活用することを検討すべきでしょう。
まとめ:あなたに合った活用法を見つけよう
iDeCoとNISAは、それぞれ異なる目的と税制優遇の特徴を持つ制度です。どちらを優先するかは、あなたの現在の年齢、働き方(自営業・フリーランスか、会社員か)、勤め先の年金制度の有無や充実度、そして所得の状況によって変わってきます。
- 若年層や緊急資金の流動性を重視するなら、まずはNISA。
- 老後資金の土台が不足している(自営業・フリーランス、企業年金がない)なら、iDeCoを優先してスタート。
- 所得が少なく、iDeCoの所得控除メリットが小さいなら、NISAを優先。
どちらか一方を選ぶのではなく、最終的にはご自身のライフプランに合わせて両方を賢く併用していくのが、最も効果的な資産形成の道と言えるでしょう。ぜひこの記事を参考に、ご自身の状況に合った最適な資産形成の方法を検討してみてください。
追記
iDeCoは、軽減制度があるといはいえ、受取時に税負担が発生する可能性があります。
しかし、たとえそうであっても、拠出の段階で税金の対象から外れるというメリットは大きく、同じ利回りを想定した場合、NISAよりも多くのお金が貯まる可能性が高いです。
今後、優遇制度の改悪があったとしても、その差が逆転することまでにはなかなかならないでしょう。
どちらでよい場合は、iDeCoの積極活用がよいかもしれません。
しかし、私自身は積極的には活用していませんし、お客様にもさほど勧めません。
理由は以下の通りです。
・「60歳まで引き出せない」という制度設計が重い
将来が十分に見通せていない段階では慎重に考えたほうが無難。引き出しも可能なNISAの方が便利かもしれない。
若い人はiDeCoはやらないか、ごく一部にして、NISAなど引出可能な仕組みを優先したほうがよい。
・魅力的な運用先がないか、あっても1~3本しかない
iDeCoもNISAもですが、本来、税制メリットよりも、その金融商品自体がしっかり増えるかどうかということの方が大切です。
これから先の運用利回りは確定しておらず想定していないため、現時点で確定している税制メリットや手数料の低さのみで良し悪しを考えてしまいがちですが、税制メリットや手数料は付属品です。
(私からすると)iDeCoの中で選択できる運用先に魅力的なものが少ないため、いくら税金がほとんどかからないとしても一番増える手法かどうかというと疑問符を感じています。
・将来の受け取り方によっては、税制メリットが帳消しになり、NISA含め、他の資産形成よりもむしろ不利になる可能性がある
正しい受け取方をすればよいのです。
私はそうしたいと思います。が、皆がそうできるわけでもありません。
アドバイスする側としては、税制メリットがあるからとiDeCoをお勧めすることは簡単なのですが、将来の受け取り方まで責任を持てるかどうかわかりません。将来もつながりを保てているかわかりません。
将来に難しい選択を残すようなアドバイスをするよりも、NISAなどでシンプルに考えていただいた方がわかりやすく、安心感も生まれやすいと考えたほうがよいケースも多いと考えています。
なお、私自身の場合は、
iDeCo(正確には私の場合企業型DC)には最低限の3,000円だけ毎月掛けていて、大半はNISAや変額年金等、他の仕組みで資産形成しています。
3,000円だけ掛けているのは、金融業界に身を置いている者として、体験しておくことが必要であることと、将来の退職所得控除を大きくするために拠出期間を積み重ねておきたいためです。
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