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米ドル建て生命保険の新型コロナウイルスの影響について

閲覧数:16517

公開日:2020-07-30

更新日:2024-04-26

著者: ほけん知恵袋

外貨建て生命保険とは?

新型コロナウイルスの拡大に伴い、外貨で運用を行う外貨建て生命保険(主に米ドル建て生命保険)への影響があるか気になる方も多いのではないかと思います。
本コラムでは、外貨建て生命保険の中でも、米ドル建て生命保険について解説したいと思います。

まずは、外貨建て生命保険がどういうものか簡単にお伝えします。

 

保険料の支払いや保険金の受取りが外貨で行われる

外貨建て生命保険は、保険料の支払いや保険料の運用、保険金・年金・解約返戻金の受け取りを、外国の通貨(外貨)で行う保険のことをいいます。
取り扱う外貨は米ドル、豪ドルが主流です。(保険会社によって異なります)

 

払い込む保険料が変動する

例として、1米ドル=100円の時に月額100ドルの保険に加入したとしましょう。このとき円換算で月額10,000円の保険料を支払うことになります。
その後円高になり1米ドル=95円になったとすると、月額9,500円の保険料になります。
このように為替の影響を受けることになります。

 

外貨建て生命保険のメリット・デメリット

外貨建て生命保険には以下のメリットがあります。
・日本円より高い利率の通貨で運用するので、貯蓄性で有利
10年国債の利回り
(出典)Bloomberg

上記の通り、日本円に比べて相対的に高い利率で推移していることがわかります。

他にも、
・予定利率が高く、保険料が割安
・為替差益を得ることができる可能性がある
というメリットがあります。


一方下記のデメリットもあります。
・為替手数料がかかる
・為替差損が発生してしまう可能性がある


 

 外貨建て生命保険への新型コロナウイルスの影響

では、外貨建て生命保険に対して、新型コロナウイルスの影響はあるのでしょうか。
影響は2つあります。1つ目は為替、2つ目は利率です。

 

新型コロナウイルスによる為替への影響

新型コロナウイルスの拡大により、
・アメリカの利下げにより日米の金利差が縮小した
・アメリカが有事と同様な状況との見方から安全資産の円が買われる傾向
などから円高傾向にあります。
具体的に、2020年1月下旬には約110円/米ドルでしたが、2020年7月30日現在105円/米ドルとなっています。

 

円高による米ドル建て生命保険への影響

これは、今まで保険料を払ってきて、解約返戻金という形で貯まっているドル建ての資産が円ベースで目減りしたことを意味します。
例えば、10,000ドルの解約返戻金があったとします。

110円/米ドル なら10,000ドル=1,100,000円

105円/米ドル なら10,000ドル=1,050,000円

円ベースでいうと5万円目減りしたことになります。これは契約者にとってマイナス影響ですね。


一方、月々支払っている保険料は円ベースで見ると保険料負担が小さくなったことを意味します。
例えば、月々の保険料が100ドルだったとします。

110円/米ドル なら100ドル=11,000円

105円/米ドル なら100ドル=10,500円

円ベースでいうと500円保険料負担が小さくなったことになります。これは契約者にとってプラス影響ですね。

 

新型コロナウイルスによる運用利率への影響

新型コロナウイルスの拡大により、アメリカは(アメリカだけではありませんが)経済対策として利下げを行い、お金を借りやすい状態にしています。
連動する形で保険会社が契約者から集めた保険料を運用する利率も下がります。

 

運用利率低下による米ドル建て生命保険への影響

契約済の保険契約については下記の影響があります
・運用利率が下がる可能性があります。
ただし、多くの保険会社で採用されている、運用利率を最低保証(例えば3%など)する商品であればマイナス影響を抑えることができます。


今後の新規契約については下記の影響があります
・各社で一時払いの商品を中心に外貨建て生命保険の一部が販売休止となっています
・今後の新規契約において予定利率が引き下げになる可能性があります。


 

まとめ

新型コロナウイルスによって外貨建て生命保険(主に米ドル建て生命保険)について
・円高による資産の目減り
・円高による保険料負担の低減
・運用利率の低下
の可能性があります。

ただし、毎月保険料を払っていると、高い時には少なく購入、安い時に多く購入することになり、購入価格の平均化がされ、リスクが軽減されます。(ドルコスト平均法)

既に外貨建て生命保険(主に米ドル建て生命保険)を契約されている方においては、基本的には短期の動きに一喜一憂することなく、長期の視点で継続されるのが良いと思います。

これから契約を検討する場合には、最新の商品情報をみて保険会社を比較すること、無理のない範囲の保険料にするなど、慎重な検討をされると良いでしょう。
 

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