個人年金保険の保険料控除でいくら戻る?制度の詳しい条件や条件金額をわかりやすく解説

個人年金保険料控除

個人年金保険の保険料控除でいくら戻る?制度の詳しい条件や上限金額をわかりやすく解説

個人年金保険には、老後の資金準備だけでなく、税金の軽減というメリットも存在します。それは、保険料控除という制度を利用することで、所得税や住民税を節約することが可能になるからです。本記事では、この保険料控除の制度を利用することで、所得税と住民税がどの程度軽減されるかについて解説します。さらに、制度の詳細な条件や上限金額についてもわかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

個人年金保険とは

まずは、個人年金保険の概要を解説します。

公的年金に上乗せして加入する保険

個人年金保険は、公的年金に上乗せして加入する民間の保険です。日本は国民皆保険制度のため、原則国民全員が年金に加入します。

加入する年金の種類は以下のとおりです。

  • 会社員や公務員等:国民年金と厚生年金
  • 自営業者や専業主婦(夫)等:国民年金

働き方によって加入する年金は異なります。自営業者や専業主婦は国民年金のみに加入するため、会社員や公務員と比べて年金受給額が少なめです。ただし、個人年金保険に加入すれば年金の上乗せができ、公的年金で不足する老後資金を補えます。個人年金保険は、年金の受取方法により以下の3つに分かれます。

終身年金確定年金有期年金
受取方法死亡するまで年金を受け取れる生死に関係なく契約時に定めた一定期間は年金を受け取れる契約時に決めた一定期間は年金を受け取れるが、死亡すると年金の支給はストップする
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公的年金と同様、死亡するまで年金を受給できるのが終身年金です。生きている限り年金を受給できるため、長生きにより老後資産がなくなるリスクに備えられます。ただし、保険料は確定年金や有期年金と比べて高めです。

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個人年金保険料控除とは

ここからは、所得税と住民税を安くできる個人年金保険控除の概要を解説します。

生命保険料控除の一つ

個人年金保険料控除は、生命保険料控除の一つです。生命保険料控除は、年末調整や確定申告時に申告書類を記載すれば、保険料の一部を所得から控除できる制度となっています。そのため、所得税と住民税の減額が可能です。

個人年金保険料控除額

個人年金保険料控除額は、契約を締結した時期により金額が異なるため注意しましょう。

新契約

新契約とは、2012年1月1日以後に締結した契約です。所得税と住民税における新契約の個人年金保険控除額は、以下のとおりとなります。

所得税

年間の支払保険料所得税の控除額
2万円以下支払保険料全額
2万円超4万円以下支払保険料×1/2+1万円
4万円超8万円以下支払保険料×1/4+2万円
8万円超一律4万円

出典:国税庁「No.1140 生命保険料控除

住民税

年間の支払保険料住民税の控除額
1万2,000円以下支払保険料全額
1万2,000円超3万2,000円以下支払保険料×1/2+6,000円
3万200超5万6,000円以下支払保険料×1/4+1万4,000円
5万6,000円超一律2万8,000円

出典:東京都主税局「個人住民税

年間の支払保険料に応じて控除額が決まっています。所得税は年間の支払保険料が2万円以下であれば、支払保険料全額を所得から控除可能です。

また、年間に控除できる最高金額は4万円となっています。住民税は所得税に比べて控除できる金額が少ないといえるでしょう。

旧契約

旧契約とは、2011年12月31日以前に締結した契約です。
旧契約の控除額は以下のとおりとなります。

所得税

年間の支払保険料控除額(所得税)
2万5,000円以下支払保険料全額
2万5,000円超5万円以下支払保険料×1/2+1万2,500円
5万円超10万円以下支払保険料×1/4+2万5,000円
10万円超一律5万円

出典:国税庁「No.1140 生命保険料控除

住民税

年間の支払保険料控除額(住民税)
1万5,000円以下支払保険料全額
1万5,000円超4万円以下支払保険料×1/2+7,500円
4万円超7万円以下支払保険料×1/4+1万7,500円
7万円超一律3万5,000円

出典:東京都主税局「個人住民税

旧契約は、新契約よりも控除額が高額となる場合が多いです。新契約では支払保険料が年間2万円以下の際に支払保険料全額が所得から控除(所得税の場合)となりますが、旧契約は2万5,000円以下であれば全額を控除できます。

また、最高控除額も新契約は4万円ですが、旧契約は5万円です。新契約は、旧契約よりも控除によって戻る税金が少ないことを覚えておきましょう。

新契約と旧契約のいずれにも加入する場合

新契約と旧契約のいずれにも加入する場合は、以下のうちもっとも金額が大きくなる条件の控除額を適用します。

  • 新契約のみで控除額を計算する
  • 旧契約のみで控除額を計算する
  • 新契約と旧契約の合算で控除額を計算する(上限は所得税4万円・住民税2万8,000円)

上記に当てはめて計算し、もっとも節税効果が得られる条件で控除を受けられます。

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個人年金保険料控除の条件

個人年金保険控除の適用を受けるためには、契約に「税制適格特約」の付帯が必要です。ここからは、税制適格特約を付帯するための要件を解説します。

保険料の支払期間

税制適格特約を付帯するには、保険料を10年以上にわたって定期的に支払う必要があります。契約時には、保険料の支払期間を確認しましょう。

年金の受取人

個人年金保険料控除を適用するには、年金の受取人を以下のいずれかに設定する必要があります。

  • 保険料を払込む人
  • 保険料を払込む人の配偶者

税制適格特約を付帯できる契約は、年金受取人が保険料を支払う人かその配偶者である場合のみです。保険料を支払う人の子どもや兄弟などを年金の受取人にした場合、個人年金保険料控除の適用を受けられないため注意しましょう。

年金の受取期間

税制適格特約を付帯するには、10年以上の年金受取期間の設定が必要です。また、年金の受取開始は満60歳以降で設定します。60歳よりも早い年金の受取開始や受取期間が10年未満の場合、個人年金保険料控除の条件を満たさないため注意が必要です。

個人年金保険料控除でいくら戻る?

最後に、個人年金保険料控除により戻る税金を、会社員の年収ごとに解説します。

年収300万円の会社員の場合

年収300万円の会社員の場合、所得税率は5%となることが一般的です。加入する個人年金保険(税制適格特約付帯)が新契約の場合と旧契約の場合で、戻る税金を計算します。

新契約の場合

契約が2012年以後に締結したものの場合、戻る税金は以下のとおりです。

年間支払保険料所得税軽減額住民税軽減額合計軽減額
2万円1,000円1,600円2,600円
4万円1,500円2,400円3,900円
6万円1,750円2,800円4,550円
8万円以上2,000円2,800円4,800円

年収300万円の会社員の場合は所得税率が5%と低いため、控除により戻る所得税は少なめです。また、新契約の場合は年金支払保険料が8万円を超えると、戻る税金額は4800円で一定となります。

旧契約の場合

加入する契約が2011年以前に締結したものの場合、戻る税金は以下のとおりです。

年間支払保険料所得税軽減額住民税軽減額合計軽減額
2万円1,000円1,750円2,750円
4万円1,625円2,750円4,375円
6万円2,000円3,250円5,250円
8万円2,250円3,500円5,750円
10万円超2,500円3,500円6,000円

旧契約は、新契約と比べて戻る税金が高めです。支払保険料が年間10万円の場合に新契約で戻る税金は4,800円ですが、旧契約で戻る税金は6,000円です。このことから、新契約と旧契約で控除額の差があることがわかります。

年収500万円の会社員の場合

年収500万円の会社員の場合、所得税率は10%となることが一般的です。加入する個人年金保険(税制適格特約付帯)が新契約の場合と旧契約の場合で、戻る税金を計算します。

新契約の場合

新契約(2012年以後に締結した契約)の場合、戻る税金は以下のとおりです。

年間支払保険料所得税軽減額住民税軽減額合計軽減額
2万円2,000円1,600円3,600円
4万円3,000円2,400円5,400円
6万円3,500円2,800円6,300円
8万円以上4,000円2,800円6,800円

年収500万円の会社員の場合、戻る税金は住民税よりも所得税の方が高額です。また、年収300万円の会社員よりも税金の合計軽減額は多くなります。支払保険料が年間8万円の場合に年収300万円の会社員が軽減できる税金は4,800円ですが、年収500万円の会社員は6,800円の節税が可能です。

旧契約の場合

旧契約(2011年以前に締結した契約)の場合、戻る税金は以下のとおりです。

年間支払保険料所得税軽減額住民税軽減額合計軽減額
2万円2,000円1,750円3,750円
4万円3,250円2,750円6,000円
6万円4,000円3,250円7,250円
8万円4,500円3,500円8,000円
10万円超5,000円3,500円8,500円

支払保険料が年間10万円の場合、8,500円もの節税ができます。

年収700万円の会社員の場合

年収700万円の会社員の場合、所得税率は20%となることが一般的です。加入する個人年金保険(税制適格特約付帯)が新契約の場合と旧契約の場合で、戻る税金を計算します。

新契約の場合

新契約の場合、戻る税金は以下のとおりです。

年間支払保険料所得税軽減額住民税軽減額合計軽減額
2万円4,000円1,600円5,600円
4万円6,000円2,400円8,400円
6万円7,000円2,800円9,800円
8万円以上8,000円2,800円1万800円

年収700万円の会社員は所得税率が20%のため、個人年金保険料控除により戻る所得税は高めです。年間8万円の年金保険料を支払えば、年に1万800円も所得税を節税できます。年収が高い人ほど、個人年金保険料の契約による所得税の節税効果が大きくなるのです。

旧契約の場合

旧契約の場合、戻る税金は以下のとおりです。

年間支払保険料所得税軽減額住民税軽減額合計軽減額
2万円4,000円1,750円5,750円
4万円6,500円2,750円9,250円
6万円8,000円3,250円1万1,250円
8万円9,000円3,500円1万2,500円
10万円超1万円3,500円1万3,500円

年収700万円の会社員が旧契約の個人年金保険に加入する場合、得られる節税効果は大きくなります。年間2万円の保険料を支払った場合の節税額は5750円で、支払保険料の28.75%の節税が可能です。

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まとめ

個人年金保険の保険料控除は、所得の多寡により節税効果が異なります。自身がどの程度節税できるのか、シミュレーションしてみてください。さらに、契約する際は税制適格特約を付帯できる条件を満たしているかどうか確認することも重要です。この節税効果を活用しながら、個人年金保険を通じて老後資金の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

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